「あ、」 「あ、」 青い春だよ、青い春!
「珍しいね、総悟がこんな時間に帰るなんてさ。部活、休み?」
「お前こそ今日は生徒会の仕事ねーのか?」 「今日はお休みでーす。」 「へぇー。サボリかと思ったぜぃ。」 「あんたと一緒にすんな!」 ボカッと鞄の角で殴ってやると、何すんでい!と睨んできた。あ、涙目だ。ちょっとやりすぎたかな。もお、あたしってば悪い子! それにしても総悟とこんな馬鹿みたいな会話するの久しぶりだな。総悟は部活、あたしは生徒会の仕事で何かと忙しかったし、クラスも違うのでなかなか会うこともなかった。 それにこの流れからすると一緒に帰ることになりそうだ。総悟と一緒に帰るなんて小学生以来じゃないか? 「何笑ってんでぃ。気持ち悪い。」 「女の子に気持ち悪いとか言ってんじゃねーよ。ただ、一緒に帰るのなんて小学生以来だなあ、って思ってただけですー。」 「そういやそうか。」 駐輪場まで来たところで自転車の鍵を探す。一度会話が途切れ、ごそごそと鍵を探す音だけがコンクリートに響く。 「あ!」 「なんでぃいきなり。」 「・・・あたし今日歩きだった。」 そうだそうだ。確か昨日お妙ちゃんと近藤と高杉と神楽とあたしで帰っていたときに、いつものごとくお妙ちゃんに絡んでいった近藤が案の定お妙ちゃんに投げ飛ばされ あたしのチャリにぶつかってきた。それだけならまだましだったが、いつの間にか喧嘩という名の戦闘を開始していた高杉と神楽があたしのチャリを踏みつけ、とどめを 刺すように神楽のカサがタイヤにぐさり。あたしの自転車はなんとも可笑しな形になり、タイヤはぷしゅ〜とまぬけな音をたててぺちゃんこになっていった。 「(くっそう、あいつら。自転車代請求してやる!)」 「乗れば。」 「ふお?」 ふお、ってなんだ!なんて阿呆みたいな声出してんだあたしは!や、だって総悟がいきなり話しかけるからさ!え、てゆうか何だこの状況。総悟が自転車の後ろ指差して 「乗れば。」って・・・。こ、これはあれですか?青春時代だれもが一度はやって見たいと思う(はず!)二 人 乗 り !! 「の、のののの乗っていいの。」 「チャリねぇなら仕方がねーだろぃ。てゆうか何でそんなキョドってんでぇお前。」 「いや、あたし重いよ?」 「まあ、我慢しまさァ。」 「いや、そこはなんかフォローしろよ。」 「早く乗んねぇと行きますぜ。」 「あ、ちょ、待って待って!」 そこからは久しぶりに一緒に帰ったっていうこともあって会話も弾んだ。(てゆうか、ほとんど喧嘩口調だったけど。)あと、なんだかんだ言って後ろにあたしを乗せてるのに へらへら喋りながら余裕でチャリこいでるとことか、前より背が高くなってたとことか、あんなにひょろっとしてたのにちゃんと筋肉ついてて意外と逞しくなってたとことか。 前とちがう総悟に不覚にもドキッとしたね!(なんか自分で言ってて恥ずかしいな!)久しぶりに会った男子と二人乗りで帰って、何気ない会話して、 昔とは違うそいつの感じにちょっとドキッっとしたり、夕日をバックに土手を通ったり、坂道でいっきに下ったたり、なんか大声で叫んでみたり。 「なんかさあ、 |